信州アルプス大学

レポート

8月26日 プス大夏講習 その2

第三部は、身の回りの化学物質から身を守る方法を
プラスチックフリーJapan代表の小島政行先生から教わりました。

はじめに、米国国立環境健康研究所(NIEH)のサイトから
30分の映画「Our Chemical Lives」を見せていただきました。
BPA(ビスフェノール・エー)、フタル酸エステルなどの
プラスチック製品に含まれる環境ホルモン。
それらは私たちの健康に不可欠なホルモンと似たような働きして、
様々な健康被害を与えると言われています。
特に、女性の妊娠期間中は、胎盤を通して母体から化学物質が運ばれ、
胎児の成長に悪影響を与えることが懸念されるとのこと。
また胎児の時に化学物質にさらされた影響が、30年後、40年後に
現れる可能性もあり、はっきりしないから見過ごすというのではなく、
危険性があるのなら予防策を講じるべきであると科学者たちは警告していました。

続いて、参加者からの質問に小島先生が答えてくださいました。

Q、ペットボトルのリユース、リサイクル、共にエコロジーだと思って
いたのですが、なぜリユースはしない方が良いのでしょうか?

ペットボトルをリユースすると、口を付けたところから雑菌が繁殖すること、
また劣化したところから化学物質が溶出する懸念があります。
日本では、ペットボトルが飲料用のペットボトルにさらにリサイクル
されることは法律で禁止されていますので、衣類やその他の製品に利用されます。
ただし、リサイクルされた化繊の衣類を洗濯することで、マイクロプラスチックが海や川を
汚染するという別の問題もあります。

Q、ダイオキシンと肉類の関連性は?
A、物を燃やすとダイオキシンが発生し、大気中に発散したものがまた下降し
食物に付着し、それを食べた動物の脂に蓄積していく為、野菜や果物を食べた場合と比べて
濃縮された形でダイオキシンを取り込むことになります。

Q,ポリ塩化ビニール以外のラップはあまり売られていないように思いますが市場にありますか?

A、ポリプロピレン製の無添加と書かれたラップが販売されています。
(ポリ塩化ビニール製の柔らかいラップには柔らかくするため
フタル酸エステルという添加剤が含まれる。)

また、参加者からの感想として
「マイバッグを持って買い物には行っているし、マイボトルも持ち歩いているので、
自分なりにエコしている、と思っていたのですが、まだまだやれることがたくさんあるなと
気づかせていただきました。是非こういった大切なお話を、特に若いパパさん、ママさんの多くの方に
聴いてもらいたいと思います。」などの声がありました。

化学的な用語が多く、難しい内容もありましたが、身の回りに氾濫する化学物質から自分や家族を守るには
自分たちが賢くなり、それらをうまく選択する知識をしっかり身に付けたいものですね!

レポート提出日:2017年08月29日(Tue)

レポーター:久納朋子