信州アルプス大学

レポート

8月26日 プス大夏講習 その1

信州アルプス大学 夏の豪華3本立て!
サステイナブルな暮らしを考える講座が8月26日(土)に開催されました。

先日「バーニング・オーシャン(原題:Deepwater Horizon )」
という2010年にブリティッシュ・ペトリアム社が起こした
メキシコ湾原油流失事故を基にした映画を見ました。

労働者の意識の低さ、故障や異常を放っておくなど、ずさんな検査、管理システム、
上層部社員の強引なコストカット、利益至上主義など
事故に至るまでの経過がよくわかる映画でした。

一企業が行う経済活動によってこれ程甚大なダメージを環境に与えられるのかぁ、
と思うと暗澹たる気持ちになるのですが、逆に私たちが働くことで、
社会的な責任を果たすだけでなく、地球環境をもよりよ良くして行けたら素晴らしいですよね!

さて、そんな世界の出来事に思いを馳せながら参加した今回のサステイナブル講座☆

第一部はCSRって何?と題して、企業はどのようにしたら
社会の直面している様々な課題の解決と自社で行う経済活動とを合致させ、
社会的な責任を果たすことができるのか、
渡辺勉先生にお伺いしました。

まず、CSRには3段階があり、
第1段階はその責任を果たさなければ、反社会的であるとして
存在が認められなくなってしまう様な、狭義のコンプライアンスに当たる必須責任。

第2段階は慈善事業やボランティア、寄付活動など、
本業での利益を多少犠牲にした形での社会貢献活動。

第3段階は、本業を通して社会にも貢献できる、戦略的CSR活動
これらの3つです。

これまで日本の社会で注目されてきたのは、第二段階の活動が
多かったように思われますが、今後は、自社の経済活動と、社会貢献、
環境活動などが一体となったCSRにより多くの企業が取り組むことが期待されている、
と渡辺先生。

そして、実際に第三段階のCSRを積極的に行っている企業の具体例をたくさん見ていきました。
中には私もよく使っている製品があって、自分も知らぬ間に環境活動に貢献できていたことにビックリでした!!

第二部は、SDGs:エス・ディ・ジーズ(持続可能な開発のための2030年目標)
を平島安人先生に分かりやすく解説していただきました。

SDGsの解説に入る前に、1992年リオの地球サミットでセヴァン・スズキさん
(なんと、当時12歳☆)が行った伝説のスピーチのビデオを見せていただきました。
環境汚染、気候変動、貧富の差などなど、世界はたくさんの問題を抱えています。
それらの解決法が見つかっていないにもかかわらず、なかなか行動を変えられない
私たち…何とかしなくては!という彼女の切実な思いに、見ているものは必ずや
胸を打たれるであろうスピーチでした。

この頃から徐々に、我々人類は一致団結して地球環境を保全する必要性を認識するようになり、
2015年、ニューヨークの国連本部で開催された持続可能な開発サミットにおいて、
持続可能な開発をするために世界中が取り組む重要な17の目標が明確に提示されたのだそうです。
この17項目には、貧困から生物多様性の保全まで、様々な分野が網羅されています。

問題の規模が大きすぎて、どこから手を付けたらいいか分からない。
すぐには結果が出ず途方に暮れてしまう…と思いがちな地球の環境問題ですが、SDGs17の目標として、
細分化して、分かりやすいロゴマークができたことで、何を、どうしたらいいのかが具体的に
見えるようになったことは、とても有意義な進歩だと感じました。

また平島先生は最後に
「持続可能な開発」という、SDGsで前提となる目標ついて、
「そもそも持続的に地球を開発をすることは必要かどうか?」との疑問を投げかけられました。
開発し続けたその先に、人類が得られるものは何でしょうか?
我々は今一度、よく考えてみる必要があるのかもしれません。

レポート提出日:2017年08月29日(Tue)

レポーター:久納朋子