信州アルプス大学

レポート

2月26日 開校1周年記念特別講演会

先月17日に、信州アルプス大学開校から1周年となったのを記念し、2人の講師をお迎えして特別講演会を行いました。総勢30名以上の参加者がお話にじっくりと耳を傾けました。

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一人目は、NPO法人「日本アーティスト協会」代表理事の宇田川哲男さん。“ガリバー宇田川”のアーティスト名で、歌手、ラジオパーソナリティー、執筆など、さまざまな活動をされています。

信州との縁ができたきっかけは、長野技能五輪・アビリンピックのサポートソングに自身の曲が採用されたこと。そのステージ映像を見ながら「でもここに至るまでは本当に紆余曲折があったんです」と話します。幼児期の事故で体に障害を負いながら、好きな音楽でメジャーデビューの夢まで叶えたものの、その後は失敗、挫折の連続。その経験が元になり、アーティスト協会の設立につながりました。

「アーティストがもっと日常に存在し、必要とされる文化を創りたい。アーティストが異業種をつなげ、社会の課題を解決する力になりたい」という思いでNPOを立ち上げた宇田川さん。自分自身のリアルな経験と思いをさらけ出したお話は心を揺さぶるものでした。「求められた以上の感動・共感を呼べるのがプロだ」という宇田川さんの言葉に、ジャンルは違えど同じプロとして仕事する私も大きくうなずかせていただきました。

二人目に登場いただいたのは、4月に岡谷でオープンするfabスペース「hana-re(ハナレ)」を運営する浜 元氣さん。

ファブスペースとは、言うなれば“ひらかれた、まちの工作室”だと話します。ここ数年でこういった施設が全国に次々とオープンし、中信エリアで初めてとなるのが「hana-re」とのこと。もともと小児科クリニックだった建物を再利用した「hana-re」の設計図に続き、内部の設備や工作機械などの写真を見せながら、「ハナレではあらゆるものをつくることができる」と浜さん。

「hana-re」を開くにあたって、首都圏や、遠く台湾のファブスペースを視察に行った時の写真もたっぷり見せていただきました。まだなじみがない“だれでも使えるものづくり拠点”、ファブスペースという存在ですが、「つくることに気付き、自分で、だれかと協力してつくることが自然になったら、楽しい暮らしになるのでは。“買う”のほかに“つくる”という選択肢を皆さん考えてもらえたらと思います」と結んだ浜さんに、心からものづくりを楽しんでいらっしゃるんだなと実感しました。

講演後に、学長中村が、できたての学校案内パンフに沿って学校説明をし、会を終わりました。
プス大のイベントに初めて参加していただいた方もいたようで、スタッフ一同、無事に1周年記念の節目を越えられたことにホッとしました。

レポート提出日:2017年02月28日(Tue)

レポーター:北原華子